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治療案内

予防歯科(小児)

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大人と違い小さいお子さんは自分でお口の中の管理を行うことができません。
小学生までは関節がしっかりできていないなど身体的な理由もあり、十分なセルフケアが行えません。親御さんの仕上げ磨きが非常に重要になります。できれば小学生の間、最低4年生くらいまで、磨かせてくれる間は仕上げ磨きをしてあげてください。
それでも虫歯ができることはあります。
乳歯は虫歯の進行が速く、進行してしまった場合治療が困難な場合や、お子さんへの負担が大きい場合が多いです。

たとえば、虫歯ができた場合、大人の方は虫歯を削って詰め物をしていくことが多いですが、生え変わる乳歯の場合は、生え変わりまで痛みがなく機能するのであれば無理して虫歯を削らずに虫歯の進行を抑制し、神経を鎮静させる作用のあるセメントで埋めていくことなども選択肢になります。

しかし、もちろん虫歯にならなければそれに越したことはありません。あきる歯科では、小さいお子さんができるだけ歯の事で苦労しないように小児の予防歯科を勧めています。また、虫歯になった場合でもお子さんに負担が少ない方法を紹介しています。

虫歯の要因と対応

  • 虫歯菌の数 菌が多いほど虫歯になりやすいです ← PMTC フッ素 セルフケア キシリトール
  • 歯垢の蓄積量 歯垢がたまるほど虫歯になりやすいです ← 裂溝 歯間部 歯頸部のセルフケア
  • 飲食の回数 砂糖の摂取回数が多いほど虫歯になりやすいです ← 食べるのは1日4回までが理想 お子さんが我慢できない場合で5回(3食と間食2回まで)
    寝る前1時間は飲食しない ジュース、飴、チョコなど停滞率が高いものは避ける
  • 唾液の緩衝能 唾液による酸の中和力が低いと虫歯になります ← 間食を減らす キシリトール
  • 唾液の量 唾液が多いほど虫歯になりにくいです ← 咀嚼回数を多くする 硬いものを食べる
  • フッ素の使用状況 フッ素の使用で歯が溶けにくくなります ← 4歳以上はフッ素洗口が推奨

小児の予防は何歳からすればいいの?

歯が生えてくる6ヶ月から1歳までは、食事がミルク中心の事もあり虫歯のリスクは低く、家庭でのケアで充分です。歯が生え始めてからは一日一回ガーゼで拭いてあげる程度から始め、8か月ころから夜に仕上げ磨きをしてあげましょう。虫歯御予防というよりは、歯磨きの習慣をつけるためのものです。

1歳くらいになり離乳食が始まれば虫歯のリスクが高くなりますが、いきなり歯磨きを始めてもいやがっつぃまうことが多いです。その前に慣れてもらっておきましょう。この時期に虫歯になる原因で多いのは、甘い飲み物をダラダラ飲んでしまうことです。菓子類・ジュース類はまだ控えた方が無難です。また、この頃から保護者の方から虫歯菌が感染しやすくなります。同じ食器の使用や、食べかけの食事を与えることをなるべく避け、保護者の方も歯の治療を行って虫歯菌を減らしておきましょう。

1歳2か月ごろから奥歯が生えてくるようになれば、毎食後の仕上げ磨きを行うようにしましょう。歯の溝に羽部物が残り、虫歯になっていくケースが多くなります。

3歳くらいになると乳歯多く歯が生えそろい、歯ブラシが届かないことから虫歯のリスクが高くなります。前歯が虫歯にならなかったお子さんがはじめて虫歯になるケースが多いのが、この乳歯の奥歯の間です。
3歳児検診が終わったあたりから歯科医院での予防も始めていきましょう。

小児の虫歯予防って何をすればいいの?

家庭での虫歯予防

虫歯の原因は、お口の中の虫歯菌が砂糖を餌として酸を出し、歯を溶かすことです。しかし、唾液にはこの酸を鑑賞する作用があり、酸で溶かされた歯を修復しています。
したがって、虫歯がおこる要因は、唾液の量、質、虫歯菌の量、虫歯菌の餌となる砂糖の摂取回数と種類、歯の強さで決まります。

図1 通常の食生活

図1 通常の食生活
(クリックで画像が拡大します)

図2 頻回砂糖を摂取した場合

図2 頻回砂糖を摂取した場合
(クリックで画像が拡大します)

●シュガーコントロール
家庭での虫歯の予防で一番大事な点は、砂糖の摂取頻度を下げることです。調味料の中にも砂糖は入っていますから0にすることは現実的でないですが、3食以外で間食をするのは2回までにしていただいた方が理想的です。
ここで大事なのは量ではなく回数を減らすことの方が重要ということです。特にお口に残りやすいチョコやクッキー、ジュース、キャンディーなどは控えた方がいいです。食べた後はお口に残らないようになるべく歯磨きをしてあげてください。

砂糖がお口に入ると口の中が酸性に傾きます。この期間が長いほど虫歯になりやすくなります。
右の図が砂糖を摂取した場合のお口の中のPHの偏移です。歯の表面(エナメル質)が溶け始めるPHは5.5以下の場合です。

通常は30分から1時間程度で唾液が酸を中和してくれます。しかし1時間に1回甘いものをつまむと常時酸性ということになりかねません。


●フッ素の使用
もうご存知の方も多いと思いますが。フッ素は
①歯の再石灰化を促進する
②フッ素が歯に取り込まれ酸に強い歯を作る
③虫歯菌が酸を作るのを抑制する
ことにより高い予防効果を発揮します。

実際フッ素入りの歯磨き粉(子供500ppm 大人900ppm)の使用で約20~30%の虫歯予防。年2~4回のフッ化物塗布(9000ppm)は約30~40%の虫歯予防。フッ化物洗口(250ppm)は約50%の齲蝕予防効果があると口腔衛生学会で研究報告があります。
特に4歳以降はフッ素洗口により第2大臼歯の裂溝(石灰化不全部位)が石灰化を十分に起こし裂溝が浅く虫歯になりにくい形態となります。
主に歯科医院で行っていくのは年数回のフッ素塗布ですが、高濃度で年数回よりも低濃度で頻回の方が有効といわれています。

洗口は特に効果が高く4歳から1日1回洗口するだけで50%虫歯が減少しています。
新潟県弥彦村で行われたと予防運動では4歳からフッ素洗口とシーラント6年性の虫歯1人平均0.13本となりました。


フッ化物洗口剤 フッ素入り歯磨き粉


フッ素洗口の長期的効用 小児期のフッ化物洗口が成人期にもたらす効果
平均喪失歯
保育園・小・中学校で実施0本
小・中学校で実施0.11本
一部実施0.15本
未実施0.74本

具体的な使用法や、年齢に応じたフッ素の使用については「年齢別小児の予防」に記します。

●仕上げ磨きの回数を増やす
虫歯の菌の量が増えている場合や、食べかすが多い場合は単純に虫歯のリスクは上がります。忙しい中なかなか仕上げ磨きを毎回することは難しいかもしれませんが、虫歯のリスクが高い場合は仕上げ磨きの回数を増やしていただくことを推奨します。

●咀嚼回数を増やす
虫歯の予防には上に書いたように唾液が重要な役割を果たしています。この唾液の量が少ない場合、虫歯になりやすくなります。唾液の量を増やすためには唾液腺を刺激するようによく噛んで食事をすることです。やわらかい物を早食いしてしまっている場合、唾液の量が少なく虫歯のリスクが高くなっている場合があります。

歯科医院での虫歯予防

歯科医院での虫歯予防は、家庭での虫歯予防に書いたような生活指導を行うこと、歯科医院用の高濃度フッ素による予防処置、汚れのたまりやすい歯の溝の部分を、歯を削らずにフッ素入りの樹脂を流し込んで固めることで虫歯菌が繁殖できないようにするシーラント、脱灰(歯の表面が酸で溶かされ白っぽくなった状態)を回復するプロケアなどがあります。

●シーラント
乳歯の奥歯や生えかけの大人の歯には、汚れがたまりやすい深い溝があります。
これは歯の形成の時に石灰化が不十分な部分なのですが、この溝から虫歯になる率が非常に高いため、あらかじめフッ素配合の樹脂で埋めてしまうことにより虫歯になるのを防ぐ治療です。

予防処置のため歯を削らずに流して固めるだけで治療が可能です。

シーラント後

●プロケアによる脱灰治療

プロケアによる脱灰治療 お子さんの歯の付け根が白っぽくなっている。これは歯の表面が酸に溶かされてもろくなっている脱灰という状態です。

いままでフッ素と歯磨きにより再石灰化を待つだけだった脱灰が、ナノ粒子ハイドロキシアパタイト含有ペースト「リナメル」を使用することにより改善が可能になりました。

2~3週に一回のリナメルの使用とフッ素、リカルデントの併用により白変部を治癒する最新の予防法です。

●3DS 化学的バイオフィルム除去
歯の清掃を行いその後ドラッグリテーナーに虫歯予防の薬剤(チェックアップルートケア)をいれてお口に装着することで、お口全体のバイオフィルムの除去のを行う予防法。リスクが高いお子さんや、唾液検査で2項目以上リスク要素があった方におすすめです。


予防はしたほうがいいの? 唾液検査により予防が必要かを確認

予防を行うか迷う方もいると思いますが、基本的には転ばぬ先の杖、予防を行っておいた方が間違いなく無難です。お悩みの方には、唾液検査によりお口の中のリスクを図ることで、今予防が必要かを判断することが可能です。また、虫歯の原因をしり、対策することで、新たな虫歯や、詰め物をした部分から虫歯になる2次カリエスを防ぐことができるようになります。

実際の唾液検査のやり方(3240円)

検査の1時間前から歯磨き、うがい薬禁止になります。

ガムをかむ (1)3分ガムをかみ唾液をカップに1MLためていただきます
唾液を入れるカップと試薬 (2)テストチューブに唾液を注いで試薬が溶けるまで撹拌します
いろいろな色に染まった試薬 (3)20分培養を行い菌と薬の反応を確認します。
色によって虫歯リスクを判定 (菌数・緩衝能は試薬の色の変化で確認が出来ます。)

この検査と試薬の反応により、虫歯菌の量、唾液の量と緩衝能を測定することができます。
ノーリスクなら今の状態で経過を見ることも可能ですが、1項目リスクがあるのならば予防治療を、2項目以上
リスクがあるならば3DSなども考慮に入れた方がいいでしょう。

年齢別小児の予防歯科

0~2歳レノビーゴ(100ppm)の使用
2~4歳チェックアップフォーム(950ppm)の使用
泡タイプの歯磨きのため歯と歯の間に届きやすく、フッ素の体内への吸収量が少ない。
4歳~ビーブランドやミラノールによるフッ素洗口(250ppm) 乳歯の奥歯の間へのフッ素入りフロスの使用
6歳~レ中学生 フッ素洗口(250ppm) フッ素入り歯磨きジェル

*フッ素入りの歯磨きや洗口を行った場合、お口の中にフッ素が残る方がのぞましいため、うがいは15ml程度の水で5秒間1回だけお口を漱ぐようにする。

様々な予防法

●キシリトール
キシリトール キシリトールは自然界に存在する唯一虫歯予防作用を持った甘味料です。

①虫歯の原因となる酸を作らず
②口の中を酸性に変えず
③虫歯菌の増殖を防ぎ、虫歯菌の少ない環境を作る
④唾液の分泌を促し
⑤歯の脱灰(酸に溶かされ白く脆い構造になること)を防ぎ再石灰化を促進する
ことにより高い予防効果を発揮します。
毎日3~5回に分けて行うキシリトール摂取は定期通院ができない小さなお子さんを持つお母さんに最適な有効な予防法です。
少量を長期間(2週間~3か月)、キシリトール含有50%以上のものが推奨でおやつを食べるだけで虫歯になりにくい環境が作れます。

●リカルデント
リカルデントは「歯を丈夫で健康にする食品」カテゴリーの特定保健用食品として2000年に許可されました。

-ミネラルパック効果(再石灰化の補助と耐酸性の向上)

虫歯菌により、歯から溶け出したミネラル(カルシウムやリン)を元に戻し歯を丈夫にする。

-緩衝剤(脱灰の抑制)

むし歯になりやすい酸性状態から中性に戻す唾液のはたらきを助け、お口の中を浄化します。

この二つの作用により予防の補助を行ってくれます。当院ではフッ素塗布後、歯の弱いお子さんにミネラルパックを行っています。ホームケアも可能です。

リカルデント入り歯磨き粉 MIペースト リカルデント入りガム ポスカ

CAMBRA 新時代の予防歯科システム 始めました

「CAMBRA」(キャンブラ)とは
予防歯科の発達するアメリカで生まれたう蝕(虫歯)予防法で「リスク評価に基づくう蝕(虫歯)管理」を意味しています。
全米歯科大学65校中40校が採用した世界基準のう蝕(虫歯)管理法です。

専用の質問票と問診、視診により、個人個人の「虫歯を起こす力」(リスク因子)と「虫歯を防ぐ力」(防御因子)のバランスがどの状態であるかを評価することで、今のリスク判定に応じたオーラルケアを教えてくれる予防システムです。

CAMBRAの流れ

・アンケートの記入
生活習慣、オーラルケアグッズの使用、食生活等を把握するためにアンケートにご記入いただきます。
・問診
アンケートをもとに現在の食生活や、虫歯の治療の既往を確認いたします。
・口腔内検査
お口の中の実際の状態を確認し、虫歯の有無、磨きのこしある部位、唾液の量、細菌の量を測定します。

結果
ローリスク、ミドルリスク、ハイリスク、エクストリームハイリスクの4段階の評価をおこない、5歳以下、6歳以上年齢別にリスクの高さに合わせた対応の方法をお話していきます。

CAMBRAは唾液検査の3240円以外は保険治療でできる歯科医院でのプロフェッショナルケアと、ホームケアになっており、お子さんの歯に虫歯を作りたくない方、きちんとケアしているつもりだけど不安な方、虫歯ができて苦労したのでしっかりした予防を行いたい方などにお勧めです。

5歳以下の対応例

  ホームケア プロフェッショナルケア
ローリスク - 初診時のみ唾液検査 
6か月に一度の再評価(検診)
2年に一度のレントゲン撮影
ミドルリスク 1日2回のフッ素歯磨き
キシリトールタブレットの服用回2粒1日4回
フッ素洗口(3歳以上)
保護者のキシリトールガム1回2錠を1日4回
上記+深い裂溝のシーラント
歯科医院でのフッ素塗布
唾液検査推奨
フジ9での修復
ハイリスク 1日2回のフッ素・リン酸カルシウム歯磨き (クリンプロ)
キシリトールタブレットの服用1回2粒1日4回
フッ素洗口(3歳以上)
保護者のキシリトールガム1回2錠を1日4回
保護者 コンクールうがい
唾液検査必須
1年に一度のレントゲン撮影
CHXペースト歯磨き
歯科医院でのフッ素塗布・シーラント
フジ9での修復
3か月に一度の再評価(検診)
エクストリーム
ハイリスク
上記と同じ 上記+現在のう蝕のフジ9処置
自己管理の目標設定

6歳以上の対応例

  ホームケア プロフェッショナルケア
ローリスク 1日2回のフッ素歯磨き 
CHXペースト  
初診時のみ唾液検査 
1年に一度の再評価(検診)
2年に一度のレントゲン撮影
ミドルリスク 1日2回のフッ素歯磨き(CHXペースト)
キシリトールガム
1回2錠を1日4回
フッ素洗口1日1回
上記+深い裂溝のシーラント
ハイリスク 1日2回のフッ素歯磨き(クリンプロ) 
フッ素洗口1日2回
キシリトールガム1回2錠を1日4回
コンクールうがい10ml 1日2回1分間(就寝)
唾液検査必須
1年に一度のレントゲン撮影
CHXペースト歯磨き
歯科医院でのフッ素塗布・シーラント
6か月に一度の再評価(検診)
エクストリーム
ハイリスク
上記+重曹洗口ピュリフレッシュドスリカルケア 上記+3か月に一度の検診

△土曜日の午後はPM6時まで診療
日曜/祝日は休診
木曜日午後は矯正のみの診療になります。一般歯科の診療は行っておりませんのでご注意ください

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