あきる歯科ブログ

歯医者がすすめる歯周病の治療 軽度の場合、中等度の場合

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

 歯周病は、テレビやCMでも耳にすることが多くなり、それなりに知識を持ってる方も多いと思いますが、やっぱりまだまだ
知られていないことが多い病気です。昔は歯槽膿漏とも呼ばれていました、これは、歯周病が進行して歯茎から膿が出る状態を指しています。

 単純にお話しすると、歯周病は、歯の付け根や歯と歯の間にたまった食べかすからバイ菌が繁殖し、そのために歯を支える骨がなくなってしまうという病気です。歯周病の困った点は、症状が出にくいため自覚できずに進行してしまうことと、気が付いた時にはある程度進行してしまい元の健康な状態に戻せなくなってしまうという点です。

 そのため、進行させないための予防が非常に重要になります。今の歯科医院の多くが、検診を3か月から半年の間隔でお薦めしているのは、この予防を行うためという点が大きいです。

 初期の症状としては、歯磨き時の出血や、歯茎の発赤、腫脹(歯の付け根が赤くなったり、腫れぼったくなっている状態)がありますが、痛みや、明確な腫れといった症状が出ないため、なんともないよとそのまま放置してしまっている方が多いです。この状態であれば、超音波によるお掃除や、機械のブラシによる清掃で改善することが可能です。歯磨きで出血する方、歯間ブラシを通すと出血する方、リンゴなどをかじると血が付く方、見た目で歯ぐきが赤い方、歯間ブラシやフロスを通すと臭いがする方は要注意ですので歯科医院で検査することをおすすめします。

 中等度以上になると、歯茎がうずいたり、見た目で分かるほど腫れたり、独特の口臭がにおう様になります。自覚症状が出始めるので、このあたりで歯科医院に来院する方も多いと思います。ただし、中等度となると、歯を支える骨が溶けてしまい、完全に元に戻すのが難しくなります。この状態での治療も基本的にはお掃除になりますが、初期の場合と違い歯茎の中に隠れている部分のお掃除が必要になるケースが出てきます。
 この段階での治療の目標は、清掃により炎症を抑えて、歯茎の腫れを小さくし、歯茎に隠れてしまっている自分で磨けない部分の歯石やばい菌を除去し、自分で歯磨きすることで汚れを落とせる状態に戻すことになります。もちろん、骨がなくなった分歯茎のラインは下がりますので見た目は歯が長くなったように感じられることもあります。また、歯が根元まで露出することにより、歯と歯の間の隙間も大きくなります。

 中等度の歯周病のお掃除は、ばい菌の住処になるとはいえ、歯の表面に壁のようについている歯石を除去することになるので、器具をあてることによって痛みが出るため麻酔が必要になる事や、歯石がなくなることで歯がしみることがあります。痛いのが嫌だから、歯周病の治療に行かなくなったという方も多いと思います。しかし、お掃除をしなければ結局ばい菌が繁殖して歯周病が進行し、より歯ぐきが腫れてしまったり、歯がぐらぐらして抜けてしまうという状態になってしまいます。
 この段階では、1回のお掃除だけでは除去しきれないため、歯茎の上の見えるところのお掃除と、歯茎の中の隠れている部分のお掃除と回数を分けてお掃除を行うことになります。

 痛いのが苦手な方は、時間と回数をかけて清掃を行うことで痛みを少なくして炎症を改善する方法もあります。
当院で行っているスウェーデン式の歯周病治療では、痛みを少なくして治療を行うことも可能なのでご希望の方はお声掛け下さい。

 歯ブラシでは、歯茎の中を完全にきれいにすることは難しいですが、ブラシが届く範囲の汚れがきれいになれば、10日ほどで歯ぐきの出血や腫れは落ち着いてきます。そうすると、引き締まった歯茎の中にアプローチしやすくなりますので、届く範囲でお掃除をしていけば徐々に歯茎は引き締まり、届かなかった深い歯茎の中の汚れをとれるようになります。もちろん歯科医院でのチェックや、歯ブラシが届かない部分の清掃、磨き方の指導を受けながらセルフケアを行っていく必要があります。

 重度になるとセルフケアだけでなく、手術が必要になるケースも出てきますので、これについてはまた別にお話ししようと思います。

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