あきる歯科ブログ

予防の神様 熊谷崇先生が発信する予防歯科 

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

歯科では特に近年予防に力をいれており、予防の内容もずいぶん変わってきました。
〇虫歯のリスクがどれくらいあるかの検査による個人個人のリスク判定
〇フッ素の使い分け
〇3DS(薬剤をマウスピースに入れたものを装着して歯の周囲の菌を減らす方法)
〇シュガーコントロール
〇キシリトール100%のガムやチョコ等々
皆さんどれくらいごぞんじでしょう? 


 今週の1/28に、カンブリア宮殿という番組で、予防歯科で有名な日吉歯科の熊谷崇先生が出演します。
歯 科界では予防の神様とも呼ばれる有名な方で、SATという歯科医師向けの講習会も主催しており、僕の同級生も参加して、「日吉のスタイルで治療したい」とずいぶん感銘を受けてい ました。日吉歯科の予防プログラムの内容については臨床の達人シリーズとして出版もされており、僕自身もずいぶん参考にさせていただきました。

「臨床の達人シリーズ」の熊谷先生の言葉を一部抜粋すると、

治療前の検査に関して
「カ リエスリスクを判定することでハイリスクかローリスクかをまず知ることができます。ハイリスク者の場合は何が問題なのかを分析してリスクコントロールのた めの計画を立てて実践することになりますが、その時大切なことは患者さんが実行可能な治療計画を立てるということです。ローリスクの人は定期的にPMTC を受けるくらいでいいわけです。」

日吉歯科で行っている患者セミナー(初診前の患者さんに対して行う歯科医師、衛生士のの役割や、歯の病態、メンテナンスによりどれだけ歯の寿命が延びるかなどのデータを用いた説明会)について話した後
「マスコミが正しい情報を流さないという側面もあります。たとえば週刊誌などにフッ素は毒と考える人の一方的な意見が載る。こうしたエビデンスの無い情報をいとも簡単に流してしまう背景が問題です。」

リスクコントロールの一つとして食事指導に対して
「飲食回数については、とにかく1日5回くらいまでは許容範囲としています。ただし寝る前に食べるのをやめる。飴をなめるのもやめる。おやつの時間は食事と食事の間にうまく設定する。甘いものはデザートとして食べれば毎日食べても問題ない。」
「だ いたい、甘いもの好きでたくさん虫歯になってしまった子どもに甘いものを食べるなと言って守れるわけがありません。禁止するのではなく、食べ方を教えた り、手入れの仕方やフッ化物の使い方を指導したり、定期的にチェックに来てメンテナンスすることを約束させた方がいいわけです。」

虫歯のリスクが高い時の対応策の例として

「た とえば、ミュータンス菌(虫歯菌)の質と量を変える必要なある場合、キシリトールを1日4~5回接種してもらうと半分くらいの人でミュータンス菌が減少 し、プラーク形成能も落ちます。キシリトールガムをかむことで唾液分泌量も増えるので再石灰化にも期待が持てるなどいい面を利用することができます。ま た、3DSという選択もあるでしょう。」

SOT(治療が終わった後の、メンテナンスまでの期間)について

「治 療が終わって快適になると、もう治ったと思うのですね。『治ったのではなくて、コントロールしなくてはならない病気なので、定期的に繰る必要がある。』こ とを治療たび、あるいは予防のたびに話すけど体験したことがないからどういうことがメンテナンスかわからないわけです。けれども1か月くらいならまた来ま すので、初診時と治療時のデータに関してもすべて説明してこういった状態を維持するためにはあなたは3か月ごと(患者さんによって違います)に来てメンテナンスをする方が有利だと伝えます。」

どうでしょう? 歯磨きとお掃除だけでない予防歯科の一面が少しでも伝わったでしょうか?

リスク検査や食事指導はあきる歯科でも開始する予定です。
キシリトールや3DSは現在も行っています。

治療後のSOTに関しては、患者さんの状態をみて案内していますが、これがあるとないとでは次の検診のときの状態が結構違います。これは、患者さんにとってもすごくいい時間だと思います。

また、この本には載っていないですが、軽度の虫歯でも現状維持が可能なら削らないで経過を見ていくというのも最近の歯科の考えの一つにあります。熊谷先生もよくこのことについてお話しされています。小さいお子さんで治療が難しいために十分な治療ができない場合などは特に、削るよりも、軽度であればフッ素や、虫歯の穴の封鎖、食事指導で経過を見た方がいいケースが多いです。

このあたりのお話も出るのではないかと思います。番組がどのような内容かわかりませんが、予防の取り組みについて知る良い機会になることは間違いないので皆さんもぜひご覧になってください。

アーカイブ 全て見る
HOMEへ