あきる歯科ブログ

歯医者が教える「小さい虫歯は削らないで進行を止めることで歯を削らない」方法

虫歯は削らない方がいい?

こんにちは、あきる歯科の濱窪です。

前回に引き続き虫歯の治療のお話です。
歯の治療はどの材料や方法を使っても永遠に持つものはありません。
材料の進歩により昔よりは長持ちするようにはなっていますが、それでもいずれ劣化してきます。

歯の詰め物の接着剤が劣化した場合、接着剤が流れたすきまに汚れが入り虫歯になる2次カリエスという状態になります。
これを避けるためには初めから虫歯を削らない方がいいのはもちろんですが、小さい虫歯の場合に進行しないように処置を行い、
経過を見ていくという方法があります。

削らなくていい虫歯ってどんなもの?

も ちろんどんな虫歯でもいいというわけではありません。軽度の虫歯、表面だけが虫歯で穴が開いていないものや、溝の部分だけ物に限ります。また、口腔内環境 がいい方の場合は経過観察が可能ですが、虫歯リスクの高い方の場合は推奨できません。経過を見ている間に進行する可能性の方が高いからです。
条件としては、
・ 清掃状態が良好な方(プラークの付着が少ない方、セルフケア後該当部位にプラークが残っていない方)
・ 砂糖の摂取が少ない方(3食以外の間食が2回までの方)
・ メンテナンスに来院できる方(3~4か月ごとに経過が見れる方。進行して虫歯になるのなら治療してしまった方が歯のダメージは少ないです)
・ 唾液検査で唾液の量、質、虫歯菌の量が少ない方(できれば唾液検査により口腔内の環境が把握できる方がベストです)

削らない場合の虫歯の治療の方法は?

軽度の場合は歯科医院での高濃度のフッ素塗布と、自宅でのセルフケアでのフッ素の使用になります。
大人の方でも子供の方でもフッ素は虫歯の予防に有効です。自宅でのご使用は、通常はビーブランドなどのフッ素洗口がお薦めですが、大人の方で歯周病などで歯の付け根が露出して虫歯になってきている方はチェックアップルートケアという根っこの虫歯予防用歯磨きも出ています。

リ スクがある程度ある場合、歯の溝の虫歯の予防としてはシーラント(フッ素入りの樹脂を溝に流して歯を削らずに汚れが入らないように詰めてしまう方法)があ ります。それ以外の方法としては薬剤をマウスピースに入れて装着してお休みしていただくことにより予防を行う3DSという方法もあります。

経過を見られる状態か、予防を行うかは歯科医としっかりと相談したうえで決めてください。リスクが高い状態で、「歯は削らない方がいいんだ」と虫歯を残しておくと、そのまま進行してしまいその時点で治療を行っていた方がよかったということになりかねません。



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