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フッ素は有害なの? よくあるご質問に対して

 フッ素は世界基準の虫歯予防のスタンダードですが、SNSやネットの健康記事を読んで、「体に害がある可能性があるなら」と不安になりフッ素塗布を希望しない保護者の方が、年間に数人来院されます。虫歯のリスクが少ない口腔環境で、リスクの少ない食生活を送っているのならば問題はないのですが、往々にして虫歯がある場合やリスクがある場合がほとんどです。
 こういう場合にフッ素を使用しなければ、 虫歯の本数もふえ、神経の治療などが必要になるまで進行することも珍しくありません。専門家が書いたわけでもない偽医療記事によって健康を害する方が増えていくことには深い憤りと無力感を感じます。歯科界でも、トンデモ歯科情報を訂正する活動をしている「
トンデモ歯゛スターズ」の先生がいるのですが、まだまだ、ネットでみたので心配という保護者の方はあとをつきません。

*上記の、虫歯のリスクの少ない環境と食生活は、「3食以外のおやつが1日1回まで、おやつはおにぎりや果物がメインで、ジュースや市販のおやつはほとんど摂取しない。歯垢が目で見えないくらいまでは歯磨きができており、口呼吸や唾液の減少、矯正器具の使用がない方」くらいが目安です。


 さて、「同じ歯科医でも、同じ先進国でも、フッ素に対して意見が別れるのはなぜ?欧州はむしろ禁止傾向では?」という質問が先日SNSに書き込まれました

 

 これに対する解答が2022年現在までの文献を踏まえており、おおよその歯科医の総意といっても過言ではないため、フッ素の使用を躊躇する保護者の方の参考になればと思い文書にすることにしました。

 

解答

「フッ素は欧米では禁止されている危険な薬剤だ」という文言を目にすることがありますが、これは、アメリカ歯科医師会やWHOなどが「6歳未満はフッ化物洗口はすべきでない」といった提言をしているものを拡大解釈したものです。 洗口が禁忌となる理由は「誤って液体を飲み込んでしまう可能性があるから」です。 歯磨剤や局所塗布は決して禁忌ではありません。

 

 次に「先進国でも意見が分かれる」についてですが、上述のようにフッ化物そのものを禁止している国はありません。交際的にも学会での学術的な賛否はありません。なので意見は分かれてはいません。「フッ素で虫歯予防は間違い」とした国や公的機関の発表は1つもないことを追記しておきます

 

 「歯科医師でも意見が分かれる」についてはフッ化物について意見が分かれているのではありません。 科学的根拠に基づいて学んでいる歯科医師とそうではない歯科医師がいる、というだけです。 科学的根拠に基づいて学んでいる歯科医師でフッ化物について全面否定な歯科医師に出会ったことはありません。

 

 これまで分かっていないフッ化物の害が今後見つかるじゃないか! ということは、決して否定はできません。 でも、「今の応用の仕方で何十年も経っていてこれまでにそうしたことはない」ということは言えます。

フッ素の危険性は、これくらいの濃度で、これくらいの頻度であれば問題は少ない、ということがすでに検証済みで、そうした経緯から「6歳未満にフッ化物洗口はすべきでない」と言われているのであって、それを逸脱して「フッ素は禁止!」と解釈するのは、論外だと考えます。

 

 フッ素自体が中毒を起こすものではないかという意見もありますが、薬というのは体に変化を起こすものなのでどんなものでも適量を過ぎれば毒になります。水ですら取り過ぎると水中毒になりますし、お醤油を一気飲みすれば死にます。フッ素の急性中毒量は体重60kg野方で120g。大体歯磨き粉2本分を一気に接種しない限り中毒にはなりません


 国内におけるフッ化物配合歯磨剤の使い方を追記すると、3歳未満は500ppm以下の濃度のものを切った爪程度の少量を仕上げ磨きで。 3〜5歳は同じく500ppm以下の濃度のものを5mm程度。 6歳になったら1000ppm以下の濃度で1cm程度、 15歳以上なら2cm程度で1500ppmまで使えます。いずれも歯磨き後の洗口は一回ゆすぐだけが推奨になります。

リスクに応じてにはなりますが、日本は海外に比べて低濃度かつ少量の基準となっています。

 

 なお、口腔衛生学会のフッ化物配合歯磨剤についての考え方は、昔は、「あくまで歯磨きの補助剤、歯磨剤よりブラッシング重視、洗口は口の中からなくなるまで行う」だったのが、現在では「ブラッシングよりも歯磨剤の使用の方が予防効果は高い、仕上げ磨きはフッ化物配合歯磨剤を使用しなければ効果がない、洗口は一回ゆすぐだけ」に変わっています。

 

 ちなみにイギリスのガイドラインで、成人でのむし歯予防に対し強い推奨は ・フッ化物配合歯磨剤で最低12回のブラッシング(寝る前+その他のタイミング、歯磨き後は吐き出すだけ) ・砂糖の入った飲食物を最低限にする、のみです。

 米歯科医師会が発行しているフロリデーション・ファクツでは、60年間における水道水フッ化物応用において、反対意見が一般に認められた科学によって実証されてことは一度もないとのことです。

 


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