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あきる歯科ブログ

歯ブラシをしっかりやれば虫歯は防げるのか?

 こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

 今日は、歯磨きのおはなし、歯磨きを頑張ってるのに虫歯になるの?
定期検診に言っていたのに虫歯になるの?
と、聞かれることがありますが、残念ながら答えは「イエス」です。

 まず、前提として歯の表面がきれいに磨けて汚れや歯垢がない状態であれば虫歯にはなりません。
しかし、完璧に歯磨きをすることは難しいです。歯と歯の間、歯の溝、歯の付け根、
ブラシが物理的に届かない隙間というのがあるからです。

 小学校の検診なんかで、歯の汚れを染め出して見てみると言うことをやったことがあると思いますが、
歯科医院に来て染め出しをした場合、よほど歯磨き指導をしっかり受けた人でない限り、歯の表面の7割程度は
汚れが残った状態になっています。平均的に6~7割は汚れが残っている状態です。
 ご自宅で染め出し液を使って磨いている方や、歯磨き指導を定期的に何度も受けている方で
20~30%染まるくらいならばなら、相当によく磨けている方です。

 これを20%以下にするのが歯周病治療における目標になるのですが、逆に言うと20%は相当に歯磨きが上手な方でも
汚れが残っていると言うことになります。だからこそ、一つは歯科医院で定期検診を行い虫歯ができていないか、
歯茎の炎症がないかを確認する必要があります。また、口腔内の環境を悪化させないために頻回の間食や、甘いもの、
特にお口の中に停留しやすいガムや飴やクッキーなどの摂取をコントロールする必要があります。

もう一つ、大事なのは、下図に示すように歯ブラシの毛先は顕微鏡で拡大すると、歯の溝より太いので
歯の溝の汚れを取ることができません。そのため隙間に届くフッ素で予防処置をすることが必要になります。



骨粗鬆症の注意点

こんにちは、あきる歯科の濱窪です。

 本日は、骨粗鬆症に関して。
 骨粗鬆症は、骨吸収抑制剤が投薬されることが多いのですが、
服薬しているかたの抜歯等の外科処置を行ったときに骨壊死を起こすと言うことで
侵襲的な外科治療ー抜歯、インプラント、歯周外科、根尖切除術などの場合
休薬してから処置を行うことが推奨されていました。
2016年の骨粗鬆症に関するポジションペーパーにおいて、休薬する根拠にかけるが状態を見て
主治医と検討をするという内容だったのが、昨年2023年のポジションペーパーでは
原則として侵襲的処置時にも休薬しないことが示されました。

 骨粗鬆症のかたも休薬の必要はなくなりましたのでご安心ください。

 しかし、顎骨壊死にならないわけではなく、以前高容量骨吸収抑制剤服薬患者のインプラント治療などは
行うべきではないという見解が示されています。

 骨粗鬆症の患者さんは、2023年のポジションペーパーでは全患者を歯科スクリーニングの対象とする
と記載されています。今後のリスクを考え、骨粗鬆症の治療を始めた方は早めに侵襲的治療を
行っておいた方がいいという事です。

 骨粗鬆症の治療を始めた方、治療中の方は、一度歯科医院で検診を受けることを推奨します。

入れ歯はどんなものがいいのか?

 こんにちは、あきる歯科の濱窪です。

 今回は、入れ歯の種類について。

 僕も診療をしているとどの入れ歯がいいの?とよく聞かれます。
解答ですが、入れ歯に関してはどれがベストというものはないので、
どの部分に困っているかでおすすめするものが変わってきます。
 
 入れ歯で困る場合は大きく分けて4つ

①しゃべりにくい 違和感がある 味を感じない
②金属のバネの見た目がきになる 入れ歯のイメージが悪いので入れ歯をつけているのがわからないようにしたい
③入れ歯が痛くて調整してもなかなか治らない
④しっかり噛めない

 この上記のどれかで困っている場合が多いです。

 ①しゃべりにくい 違和感がある 味を感じない
に関しては、総入れ歯で特に多く、
床の部分が舌を動かす邪魔になってしまうのでしゃべりにくい
クラウン(差し歯)やブリッジと違い床やバネなど今までなかったものがはいるので違和感が大きい
床の厚みが熱や味を遮断するのでおいしくない
等が原因です。

 この場合は金属床義歯がおすすめになります。
上顎金属床総義歯2.jpg

床の厚みは保健の入れ歯の場合強度を確保するためにできれば1.5mm、最低1mmは厚みが必要になります。
金属で作れば割れることはないため0.1~2mmの厚みで作製が可能なため、異物感が少なく、
しゃべりやすく、熱も伝わる入れ歯が作成可能です。味に関しては特殊な素材で金属部分の強度を保ちつつ、
味覚を感じるものもあります。

 ②金属のバネの見た目がきになる 入れ歯のイメージが悪いので入れ歯をつけているのがわからないようにしたい
に関してはノンクラスプデンチャー、当院ですとスマイルデンチャーがおすすめになります。
金属のバネがなくゴムのような素材で歯を挟んで固定するため、ぱっと見には入れ歯を使っているようには見えないこと、
ゴムは曲がっても折れることはないので保健の入れ歯に比べれば薄く作ることも可能です。
 ただし、ゴム素材はたわむため、歯の数が少ない場合入れ歯のたわみを押さえるために
金属の床材を入れる必要がある場合もあります。

04.jpg

55.jpg

③入れ歯が痛くて調整してもなかなか治らない ④しっかり噛めない

の場合はコンフォートがおすすめになります。
顎の骨が痩せた場合、骨の出っ張りが大きい場合は硬い入れ歯と骨に挟まれた肉の部分が痛くなりやすいです。
コンフォートは生体シリコンという歯肉に近い素材を入れ歯の裏側に貼り付けることで
痛みがなくしっかり噛めるようになる入れ歯です。厚みは通常の保健の入れ歯と同じようになります。


このように、ご自分の気になる悩みを改善する入れ歯を作成するのがおすすめになりますので
歯科医院で何に悩んでいるかを教えてください。

マウスピースは身体能力をたかめるのか?

 こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

 今日はスポーツ歯科におけるマウスピースについて。
 スポーツ歯科でマウスピースを作っていると必ずでてくるのが、「マウスピースで身体能力が上がる」という言説です。
人気格闘漫画「グラップラー刃牙」の1話で刃牙の対戦相手の末堂がテンプレートを使用するシーンがありますが、
身体能力が30%アップなどととんでもないことを言っています。
 本当だったらオリンピック選手みんなつけてますよね。

 このあたりの「マウスピースで身体能力向上」に関しては一時期猛烈の流行し、実際に研究が行われた結果
一部の競技以外、ブラシーボ以上の効果が認められずに廃れていきました。
 うたい文句としてはかみ合わせをがっちりさせることで筋肉に力が入るという事だったのですが、
人の筋肉は伸ばす筋肉と縮む筋肉がセットになっているので、仮に筋肉に力が入ったとしても
両方の筋肉に力が入ってしまうと相殺してしまうこと、複雑な動きが必要なスポーツ、例えば野球などでは
筋肉に力が入りすぎた場合体が硬くなりパフォーマンスが落ちること、そもそも多くのスポーツで、
試合中に歯をがっちりと咬むことは少ないこと(野球の投球、サッカーのパス、シュート、バスケのドリブル、ほとんどの場合
運動時にかみしめは起こっていません。)等から現在は否定されています。
 アームレスリングやウェイトリフティングなど、運動中にかみしめることが常態となっているものなら
効果はあるかもしれませんが、現在のスポーツ歯科のスタンスとしては、歯の保護、外傷の予防が主な目的で、
付加的に体幹のバランスを向上させる効果があることが取り上げられるくらいとなっています。

 しかし、本当に効果がないのかというと、FANGARMOUR(ファングアーマー)というメーカーの出しているマウスピースは
既存のスポーツ用マウスピースとは異なる発想で作られており、多くのスポーツマンが愛用しています。
 こちらは正しい顎の位置にマウスピースで誘導することで体幹の安定、気道の確保を行いパフォーマンスの向上と体の可動域を広げるというものです。

 ベンチプレス世界チャンピオン児玉大紀 オフィシャルブログ 「ベンチプレス世界チャンピオン」 Powered by Ameba (ameblo.jp)
 ムエタイキックボクシング世界王者4冠中嶋平八オフィシャルサイト 『FANG ARMOR』 - 中嶋平八 (nakajimahey8dojo.com)
 ユーザーとしては、塚越広大(レーサー)ロニー・クインタレッリ(レーサー)、中尾春香(モーグル)、中谷正義(OPBF東洋太平洋ライト級チャンピオン)、宮崎亮(元WBAミニマム級世界チャンピオン)、橋詰将義(日本スーパーフライ級新人王)、出花崇太郎(コンバットレスリング)、高山勝成(日本人初のボクシング主要4団体世界制覇)、渡辺一樹(レーサー)、中須賀克行(レーサー)などなど多くのアスリートが使用しています。

 今回、プロアスリートを対象に作っていたFANGARMOUR(ファングアーマー)の開発者が、一般向けに
同じ発想で作製した新製品「ZONEPIECE」を販売することになり、僕も半信半疑ながらデモに来てもらったのですが、
スタッフにデモをやってもらった結果、5分のデモでスタッフの柔軟性が明確によくなりました。
具体的には体の硬いスタッフに前屈してもらうと指先が足首につくくらいだったのが、
デモ後、マウスピースをつけてもらうと床に指先がつくところまで柔軟性が向上しました。
左右への体のひねり(回旋)も、マウスピースをつけると明らかに曲がるようになります。

僕もちょっとびっくりしましたし、スタッフは大興奮していました。

これはすごいかもしれないと言うことで、自分用に一度作ってためしてみようと思います。
報告はまた後ほど。




スポーツ歯科学会

あきる歯科院長の、ハマクボです。
先週末はお休みをいただいてスポーツ歯科学会に参加するために福岡にいっていました。




 当院でもスポーツマウスガードの作製を行っていますが、
まだまだ普及せずに、つけ忘れて歯の脱臼(衝突などで歯が抜けてしまうこと)や
脳しんとう、相手への咬傷等が多いことが問題になっていました。
 
 ヘルメットなどの用に徐々に義務化されているのですが、
「なくてもなんとかなる」「つけるのが面倒」「運動しにくい」等の理由で
つい外してしまっていることが多いのが現状です。

 3つめのつけると運動しにくい事に関しては歯科医院で作製すればほぼ問題ないため、
市販のお湯で軟化させるタイプで使ってる方は一度歯科医院で作ってもらうといいと思います。
 おくちをあけて落ちてくるマウスピースは、適合不良と言っていいと思いますので
心当たりのかたはご来院ください。


スポーツ歯科 開設いたしました

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

皆さんはスポーツ歯科についてご存じでしょうか?
スポーツ歯科はスポーツ選手のけがの防止やパフォーマンスの向上を目的とした歯科分野です。
主にマウスガードの作製を行うことが多いのですが、現在のスポーツでは多くの種目でマウスガードの着用を推奨しています。

フルコンタクト空手、キックボクシング、テコンドー、総合格闘技(MMA)等格闘技系は着用義務があり、
アメフト、ラグビー、アイスホッケー、ラクロスなども義務化、
柔道、野球、バスケ、ハンドボールなど接触のあるスポーツでも着用は推奨されています。

また、力を入れるため歯を食いしばる競技、ウェイトリフティングやアームレスリングでは歯の摩耗を防ぐ目的でつける場合もあります。北京オリンピック東京オリンピックのソフトボール金メダリスト・上野由岐子選手もつけていましたね。

マウスガードは

①歯の抜けたり折れたりするけがの保護
②唇や舌の裂傷の予防
③脳しんとうの予防
④相手選手に対する障害(接触の際、歯が手指などに食い込まないようにする目的)
⑤顎の骨折の予防
⑥強いかみしめに対する歯の摩耗の予防
⑦顎位の安定による十分なパフォーマンスの発揮

という役割があります。

しかし、マウスガードは市販のものやネット販売により入手可能なため、
それによるトラブル(歯並びやかみ合わせへの悪影響、マウスガードの目的をはたせない不適切なマウスガードによる怪我)が
散見されており、厚生労働省からも注意喚起が行われています。
 
日本スポーツ歯科学会からの注意喚起と厚生労働省の見解
マウスピース、マウスガードの作成は、歯科医にご相談ください!|日本スポーツ歯科医学会 (kokuhoken.net)

以下引用
「近年、歯科医師の診療を介さずに特定人に対するカスタムメ イドのマウスピース等(以下「マウスピース等」という。)を作成し、提供して いる事例が散見されています。 マウスピース等の形態が不適切なものであった場合、歯列や咬合等に影響を 及ぼすことが想定されることから、マウスピース等を作成し患者に装着する行 為は、歯科医師の歯科医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危 害を及ぼすおそれのある歯科医行為に該当し、マウスピース等は歯科技工士法 第2条第1項に規定する歯科技工により作成されるべきであると考えられます ので、周知の徹底を図られるようお願いします」

 
このような状態を鑑み、当院でもスポーツ歯科を開設し、マウスガードの作製を行うことといたしました。
歯形を精密に取ってぴったりフィットするマウスガードを作製し、お口の中でかみ合わせのバランスがとれるように調整いたします。
マウスガードの作製を考えている方は、是非ご相談下さい。 

自然由来のものは健康にいい? 虫歯にならない?

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

 今回は時々聞かれる食物の選択に関して。

 なぜか虫歯になるので砂糖に摂取を控えましょうという話が出ると、
「ハチミツなら(黒糖なら、三温糖なら、和三盆なら)、大丈夫ですよね?」
と確認されることがありますが、基本的に糖アルコール(キシリトールを代表とする代用甘味料、甘い味がするだけで酸を産出しないため虫歯にならないお菓子などとして販売されている)以外の糖は、ブドウ糖もはちみつも果糖も虫歯の原因にはなります。

 なぜか、自然由来のものは体にいいという幻想が有るようなのですが、トリカブトもフグ毒もベニテングダケも自然由来です。なんだったらモウドクヤドクガエルは名前からして毒の、世界一の毒ガエルです。
 世界は人間のためにできているわけではないので、自然由来でも人間には毒なもの、薬なものは混在しています。アボガドやニンニクだって動物にとっては毒なのに、たまたま人間が利用できているだけですね。
 そもそも三温糖も黒糖も精製しているのでそういう意味では自然由来ではないのでは・・・? 
 それが自然由来なら全て自然由来といってもいいのでは? となりますが・・・。

 ハチミツに関しては、抗菌性があることから虫歯菌に効果があるという説を訴えている人はいるのですが、
今のところ明確に効果があるという信用性の高い論文は出ていません。

 勿論このあたりは、後々効果があるということがわかってくる可能性もありますが、
今のところあえて選択する理由はないと思います。

 選ぶとするとどちらかというと、砂糖の種類よりも、粘着度が高いか、よくかむので唾液が出るかというところが問題になります。
 そういう意味では、天然の甘味である果物のほうが、ジュースや、飴やチョコと比べると歯ごたえがある分よくかんで唾液を出し、粘着度が少ないので歯にくっつかないという意味では虫歯になりにくいです。

間食の回数 = 虫歯の数

 こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。
 
 前回に引き続き、虫歯の予防に関して、メインは仕上げ磨き、フッ素、シュガーコントロールということはお話ししましたが、
肝心のシュガーコントロールとはどういうことをすればいいのでしょうか?

 砂糖を一切とらなければ、それは虫歯にはならないのですが、現実的ではありません。
 実際砂糖の摂取のコントロール可能なのは間食の回数です。

 通常、食べ物を食べると、それを栄養に酸が出ることで口に中が酸性に傾きます。唾液によって徐々に中和されますが、
頻繁に食べ物を食べていると、唾液によって中和される前に酸が出ることで常に口に中が酸性になってしまいます。
 間食の回数は理想は3食以外1回、目標としては3食以外2回までと言われています。

これは、実験によって3食以外間食の数が多いほど虫歯ができやすく、特に3回で虫歯リスクが跳ね上がるからです。

間食の回数を変えて虫歯のできた数をカウントするという実験で

間食0回  平均の虫歯の数 3.5本
間食1回  平均の虫歯の数 4.8本 間食によって増えた虫歯の数 1.3本
間食2回  平均の虫歯の数 5.7本 間食によって増えた虫歯の数 2.2本
間食3回  平均の虫歯の数 8.5本 間食によって増えた虫歯の数 5.2本
間食4回  平均の虫歯の数 9.8本 間食によって増えた虫歯の数 6.3本

という結果が出ています。間食が多くなれば多くなるほど虫歯の本数は増えていくのです。

 逆に甘いものを食べるのならば、食事のすぐ後に食べれば、口の中は食事によってもともと酸性に傾いているので
それほど影響はありません。量も問題ではなく、ホールケーキを一気に食べるより1時間に1回チロルチョコを食べる方が虫歯になりやすくなります。 

 また、粘度が高く、口に中に残りやすいスナック菓子、ガム、飴、チョコ、ビスケットなどは常時、歯に張り付いて酸をだすもとになってしまうので間食としては最もおすすめできません。かむことによって唾液が出るもの、口の中に残りにくいもの、で考えると、うどんやおにぎりの炭水化物類が推奨になります。
 
 さらに、リンゴと100%のリンゴジュースでは、咀嚼による唾液が出る影響から、リンゴの方が虫歯になりにくいです。

というわけで、間食については、

間食の回数が多いほど虫歯の数はおおくなる
量よりも回数が問題
できれば1日2回まで
食べるのならば食事のすぐ後にする
口の中に残りにくいものを選択 炭水化物>果物>ジュース>お菓子 の順に推奨

ということを覚えておいていただくといいと思います。

 

虫歯の予防はどうすればいいの?

 こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

 前回はフッ素についてお話ししました。フッ素はWHOでもアメリカでもイギリスでもドイツでも日本でも積極的に推奨されている
世界基準の虫歯予防対策です。フッ素歯磨き、フッ素塗布に関して急性中毒を起こすような(小児で歯磨き粉1本を一気に飲み込む)量を摂取しない限り、様々な研究から、人体への害がある根拠ある報告はありません。(毎日の小児のフッ素うがいは6歳以下は飲み込む可能性があるので非推奨になっています)

 インターネットを検索して「フッ素は毒」というようなプロパガンダをしている人は、専門家の意見を調べずにセンセーショナルな記事を信じてしまった方か、内容がどうであれアクセス数が稼げればいいというような不誠実なアクセス亡者か、その代わりにこういうものを使いましょうという商品を販売する偽医療詐欺業者と思っても過言ではないです。ほとんどの方は、知らずにセンセーショナルな記事を読んで、だまされ、みんなに教えてあげなければという親切心で行動されているのだと思いますが、その親切心が健康被害を出しているかと思うと悲しくなります。

 さて、フッ素の使用以外の虫歯の予防法は何があるのでしょうか?

 一つは勿論歯磨きです。目視で歯の表面に白いプラークが残っている状態が続けば、もちろん虫歯になってしまいます。歯磨きした後は歯の表面を鏡で確認して歯垢が残っていない状態を目指してください。

 もう一つは、シュガーコントロールー砂糖の摂取方法や間食の取り方ーです。

 これについては以前もお話ししましたが、もう少し詳しく次回お話しします。



フッ素は有害なの? よくあるご質問に対して

 フッ素は世界基準の虫歯予防のスタンダードですが、SNSやネットの健康記事を読んで、「体に害がある可能性があるなら」と不安になりフッ素塗布を希望しない保護者の方が、年間に数人来院されます。虫歯のリスクが少ない口腔環境で、リスクの少ない食生活を送っているのならば問題はないのですが、往々にして虫歯がある場合やリスクがある場合がほとんどです。
 こういう場合にフッ素を使用しなければ、 虫歯の本数もふえ、神経の治療などが必要になるまで進行することも珍しくありません。専門家が書いたわけでもない偽医療記事によって健康を害する方が増えていくことには深い憤りと無力感を感じます。歯科界でも、トンデモ歯科情報を訂正する活動をしている「
トンデモ歯゛スターズ」の先生がいるのですが、まだまだ、ネットでみたので心配という保護者の方はあとをつきません。

*上記の、虫歯のリスクの少ない環境と食生活は、「3食以外のおやつが1日1回まで、おやつはおにぎりや果物がメインで、ジュースや市販のおやつはほとんど摂取しない。歯垢が目で見えないくらいまでは歯磨きができており、口呼吸や唾液の減少、矯正器具の使用がない方」くらいが目安です。


 さて、「同じ歯科医でも、同じ先進国でも、フッ素に対して意見が別れるのはなぜ?欧州はむしろ禁止傾向では?」という質問が先日SNSに書き込まれました

 

 これに対する解答が2022年現在までの文献を踏まえており、おおよその歯科医の総意といっても過言ではないため、フッ素の使用を躊躇する保護者の方の参考になればと思い文書にすることにしました。

 

解答

「フッ素は欧米では禁止されている危険な薬剤だ」という文言を目にすることがありますが、これは、アメリカ歯科医師会やWHOなどが「6歳未満はフッ化物洗口はすべきでない」といった提言をしているものを拡大解釈したものです。 洗口が禁忌となる理由は「誤って液体を飲み込んでしまう可能性があるから」です。 歯磨剤や局所塗布は決して禁忌ではありません。

 

 次に「先進国でも意見が分かれる」についてですが、上述のようにフッ化物そのものを禁止している国はありません。交際的にも学会での学術的な賛否はありません。なので意見は分かれてはいません。「フッ素で虫歯予防は間違い」とした国や公的機関の発表は1つもないことを追記しておきます

 

 「歯科医師でも意見が分かれる」についてはフッ化物について意見が分かれているのではありません。 科学的根拠に基づいて学んでいる歯科医師とそうではない歯科医師がいる、というだけです。 科学的根拠に基づいて学んでいる歯科医師でフッ化物について全面否定な歯科医師に出会ったことはありません。

 

 これまで分かっていないフッ化物の害が今後見つかるじゃないか! ということは、決して否定はできません。 でも、「今の応用の仕方で何十年も経っていてこれまでにそうしたことはない」ということは言えます。

フッ素の危険性は、これくらいの濃度で、これくらいの頻度であれば問題は少ない、ということがすでに検証済みで、そうした経緯から「6歳未満にフッ化物洗口はすべきでない」と言われているのであって、それを逸脱して「フッ素は禁止!」と解釈するのは、論外だと考えます。

 

 フッ素自体が中毒を起こすものではないかという意見もありますが、薬というのは体に変化を起こすものなのでどんなものでも適量を過ぎれば毒になります。水ですら取り過ぎると水中毒になりますし、お醤油を一気飲みすれば死にます。フッ素の急性中毒量は体重60kg野方で120g。大体歯磨き粉2本分を一気に接種しない限り中毒にはなりません


 国内におけるフッ化物配合歯磨剤の使い方を追記すると、3歳未満は500ppm以下の濃度のものを切った爪程度の少量を仕上げ磨きで。 3〜5歳は同じく500ppm以下の濃度のものを5mm程度。 6歳になったら1000ppm以下の濃度で1cm程度、 15歳以上なら2cm程度で1500ppmまで使えます。いずれも歯磨き後の洗口は一回ゆすぐだけが推奨になります。

リスクに応じてにはなりますが、日本は海外に比べて低濃度かつ少量の基準となっています。

 

 なお、口腔衛生学会のフッ化物配合歯磨剤についての考え方は、昔は、「あくまで歯磨きの補助剤、歯磨剤よりブラッシング重視、洗口は口の中からなくなるまで行う」だったのが、現在では「ブラッシングよりも歯磨剤の使用の方が予防効果は高い、仕上げ磨きはフッ化物配合歯磨剤を使用しなければ効果がない、洗口は一回ゆすぐだけ」に変わっています。

 

 ちなみにイギリスのガイドラインで、成人でのむし歯予防に対し強い推奨は ・フッ化物配合歯磨剤で最低12回のブラッシング(寝る前+その他のタイミング、歯磨き後は吐き出すだけ) ・砂糖の入った飲食物を最低限にする、のみです。

 米歯科医師会が発行しているフロリデーション・ファクツでは、60年間における水道水フッ化物応用において、反対意見が一般に認められた科学によって実証されてことは一度もないとのことです。

 


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