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あきる歯科ブログ 7ページ目

ホワイトニングで歯を白くしたい方、その前にクリーニングしてみては?

こんにちは、あきる歯科の濱窪です。

ホワイトニングについて聞かれることがあります。

 ホワイトニングは、歯の内部に食べ物や飲み物の成分がしみ込んで黄色くなったものを薬品で漂白する治療の事です。
結構な頻度で施術を希望された方の歯を見ると表面の着色によるもので、クリーニングできれいにすることができるので、
「ホワイトニングは保険外でお金がかかるからちょっと」と思っている方も、歯石の除去のついでに一度クリーニングを受けてみては
どうでしょうか?茶渋やヤニによるもの、コーヒーによるものなどはクリーニングできれいにすることが可能です。ただし、詰め物の変色や、歯自体が生えてきたときから変色しているものはきれいになりません。これはホワイトニングでも同じです。

見分け方としては、歯の一部が茶色い、濃い色をしているときは着色している場合が多いのでクリーニングできれいにすることが可能です。全体的に黄色っぽい方などは歯の中にしみ込んだ汚れの可能性が高いですが、コーヒー等を愛飲している方には全体が着色している方もいます。

クリーニングを受けてみて、それでも色が気になるならホワイトニングをおすすめします。ホワイトニングをやる前にはどちらにしろ表面の汚れは落としておいた方がきれいになりやすいのでクリーニングも行いますので無駄にはなりません。 実際にホワイトニングを行う場合は病院で行うオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングがありますので、選ぶこともできます。詳しい内容については又次回触れたいと思います。

歯医者嫌いのお子さんのために

 こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。
 
 これは、HPの方にも載せようと思っていることがあります。
最近SNSなどでちょこちょこ目にすることなのですが、歯医者に対するイメージが悪いほど、お子さんの治療は難しくなります。

そこで、小さなお子さんの保護者の方にお願いがあります。

 それは、歯医者さんに行くときは正直に伝え、「見てもらうだけだよ」「痛くないよ」などごまかさないで、「悪いところがあったらがんばろうね」など励ましてあげてください。痛くないといわれて、見るだけといわれて医院に来てから治療を行うとお子さんは不信感と悪いイメージを持ち次回からの治療がさらに難しくなります。

そして、頑張ったらほめてあげてください。

歯磨きだけでも、お口を見るだけでも褒められれば、お子さんは頑張ろうという気になれます。治療に前向きに向き合うことができます。

 逆に、「歯医者さんは痛いよ」「もう歯を抜いてもらおうか」「今度悪い事したら歯医者さんに連れてくよ」など脅かすようなことを言われていると、お子さんの中で恐怖のイメージだけが膨れ上がり、診療室にすら入れないことになってしまうこともあります。日常でお子さんをおこるときは決して使わないでください。 
 歯医者行く場合も、「痛いところを歯医者さんになおしてもらおうね」「歯医者さんに虫歯をやっつけてもらおうね」など、痛みをよくしてくれる場所という話し方をしていただけると治療がスムースに行く可能性が高いです。

 初期で痛みも少ない治療ができないばかりに、虫歯が進行して痛みを伴う治療が必要になってしまうと、お子さんのストレスも保護者の方のストレスも大きくなってしまいます。

どうか、可能な限りご協力をお願いいたします。

歯医者が薦めるインプラントをするうえで注意したほうがいい点 清掃状態 検診 本数 全身疾患 

 こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

 前回に引き続きインプラントについてのお話です。
 前回は、インプラントに関してのメリットと、おすすめできる方をお話ししました。

 では、インプラントに向かない方、お勧めできない方はどういう方でしょう?

 まず清掃状態がよくない方にはおすすめできません。インプラントは自分の歯が戻ってくるようなものという話し方をされる先生もいますが、
自分の歯と違い免疫力による回復が見込めません。自分の歯を歯周病で失ってしまった方は、同じようにインプラントも歯周病で失う可能性が高いです。
 歯周病の検査と治療を行い、清掃状態が継続して保てる方と判断できないとインプラント治療はお勧めしません。患者さん自身が歯磨きをしない、炎症がよくおこるというような自覚があれば、よく相談された方がいいと思います。 ハミガキはしっかりしているけどよく虫歯になるというような方も、ご自分で磨いているつもりで汚れが落ちていない可能性がありますので要相談です。 

 そんなに歯磨きしなくても歯医者で定期的にきれいにするからと考えるかもしれませんが、歯科医院はあくまで清掃の補助と普段磨けていないところを指摘する場所です。日常の歯磨きが不十分であれば毎週歯医者に通うのでもない限り徐々にお口の状態は悪化していきます。
 インプラントを行うならば、少なくても歯周病の検査を行い、インプラントが維持できる歯茎の状態と清掃状態である事を確認してからの方がいいとお思います。

 次に、定期的に歯科医院通えない方も向きません。インプラントは神経などが通っているわけでないので炎症を起こしても気が付きにくいです。
また、インプラントを行っていない方でも、定期的に来院することで清掃状態が保てているか、磨きにくい所はないか、どういう磨き方をすればいいのかをお話ししますが、それと同じようにインプラント周囲の清掃状態が問題ないかの確認を定期的に行うことをおすすめします。清掃状態によっても検診期間は異なりますが、一般的には3~4か月に一回の検診、最低でも年に1回の検診を受け有れないようならインプラントはお勧めできません。これは、残っているほかの歯は、歯周病が進行してそこからインプラントが感染してしまう場合や、残っている歯がぐらぐらしてしまい骨と結合している動かないインプラントに負担がかかってしまう場合などもあるからです。インプラントの清掃状態、周囲の歯の状態、噛みあわせの力のバランス、レントゲンによる骨の吸収がないかを確認するための定期検診は非常に重要です。

 また、高齢の方の場合、手術の時は問題なくても、その後手が動かなくなったり、アルツハイマーで自力での清掃が難しくなる場合もあります。その場合は、家族や施設の方で清掃が可能な形態に被せ物を変えることや、歯茎の中に埋め込んでしまったり、撤去が必要になる可能性もあります。

 それ以外でインプラントをおすすめしにくいのは、骨粗鬆症や糖尿病、高血圧など全身疾患で、コントロールされていなければ手術が難しいかた、欠損に対して少なすぎる本数で治療を希望する方、成長期で年齢が若すぎる方、などが挙げられます。

 インプラントは決してなくなった歯に対して1本につき1本埋める必要はありません。インプラントメーカーとして古くからある4大インプラントの一つITIインプラントを作っているストローマンは、ITIコンセンサスというインプラントに対する見解を定期的に発表していますが、はっきりと「1本の歯の欠損に対して1本のインプラントを埋める必要はない。無駄に本数を増やすことで患者の負担が起きくなり感染のリスクは上がる。また、本数を多くすることで清掃性が悪くなることも考量する必要がある。」旨を発表しています。 たとえば、インプラント2本ですべての歯を支えることはできません。本来片側14本ある歯を支えるためには、通常であれば上顎で8本、下顎で6本のインプラントが必要になります。特殊な手術を行うことで4本ですべてを支えることもありますし、骨の状態によっては少し増えることもあります。しかし14本の歯を再現するために14本のインプラントが必要なことなどはありません。こんなにいっぱいインプラントが必要なのかなと考えることがあればしっかり相談をした方がいいと思います。また、逆に、4本歯を失った場合に1本のインプラントでそれを補おうというのは無理があります。単純に考えれば4倍の負荷がかかるわけですからインプラントが持ちません。

なのでインプラントをする上での注意点は、
①清掃状態は良好な範囲か(自己判断でなく歯科医師の判断で)
②定期検診に通えるか
③欠損に対し適正な本数か
④全身疾患はコントロールされているか
この中に気になる項目があれば、担当医とよく相談するかセカンドオピニオンを求めた方がいいと思います。
 

インプラントって良いもの悪いもの?

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

本日はインプラントについてお話ししようと思います。

よく聞かれる内容なのですが、インプラントは良し悪しと功罪、寿命、万人に行えるものなのかという点についてです。

 インプラントがいいものなのかという点ですが、この20年の普及率を考えれば確実にいい点は存在します。

 おすすめできる方はどうしても入れ歯だと気になる方です。 入れ歯の床の部分は本来のお口の中にはないものなので、ある程度違和感は存在します。とくに人前でお話しする機会が多い方などは気になってつけられないという方もいらっしゃいます。インプラントの場合、本来お口の中にあった歯の形態に近いものが入り、床やバネがなく取り外しも行わないため違和感という点では入れ歯よりかなり少なくなります。顎の骨がやせてしまい入れ歯が動きやすい方や、歯茎が薄くなってしまい痛みが出やすい方等入れ歯で苦労している方は、インプラントにより入れ歯ストレスが解消できます。 入れ歯の素材を金属などで薄く作ることで違和感を軽減する事や、精密な型取りを行うことですいつきをよくする事も可能ではありますが、床がない、動かないというインプラントの方が違和感は少ないです。

 また、入れ歯の場合見た目の問題としてバネが気になること、歯が少なくなることにより残った歯への負担が大きくなり寿命縮めてしまうこともあります。保険外の入れ歯でバネを多く設計し、負担を分散して作ったとしても入れ歯を固定するために負担がかかる残存歯は寿命を減らしてしまいます。インプラントの場合は新たに噛みあわせの負担を行う歯ができるということなので残存歯の過負担を避けることができます。

 入れ歯にしなくてもブリッジ(歯を削って歯の無い部分の隣の歯を土台につながったかぶせ物を固定する方法)ならば床や、バネの違和感はありません。ただ、失った歯の分の負担はのこっている歯が請け負うことになるので、歯が割れたり動いてしまうことがあります。また、健康な歯を削ると、削った部分から虫歯になってしまったり、しみてしまうこともあるのでなるべく健康な歯は削らずに残しておきたいところではあります。

 入れ歯になることによってしっかり噛めなくなると、バランス感覚が衰え転倒のリスクが高くなることや、、食べ物を咀嚼することが難しくなり胃に負担がかかること、食物の選択がお肉や野菜などから噛みやすい食べやすい炭水化物や、糖分の多いおやつシフトしやすいことなども言われています。筋肉を使わないため血色が悪くなっている方にインプラントを行った後、しっかり顎を動かすようになって顔色がよくなったことや寝たきりの方が歩行が可能になったという報告もあります。「インプラントで豊かな老後を」というようなキャッチフレーズを聞くことも時々ありますが、これは、①食べたいものが食べられる②咬合がしっかりすることによりバランス感覚を取り戻す③口腔周囲の筋肉が動くことで脳への血流量も多くなる④バランスのとれた食事が可能になるなど、寝たきりになるリスクを減らし元気な老後を送りやすくなるという話から出ています。

つまり、
①入れ歯の違和感がない
②残った歯にかかる負担が少ない
③歯を削らなくて済む
④食べたいものを食べられる
⑤健康な老後をおくりやすい
等の点にメリットを感じるならインプラントはお勧めの治療になります。

ただし、万人が可能なわけではないですし、インプラントを行う上での注意点もあります。
その内容については次回お話しします。

あきる歯科紹介動画について

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。 オフィシャルHPのリニューアルに従い、紹介動画もリニューアルいたしました。 よろしくお願いいたします。

動画


保険診療と自費診療の違い

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

時々聞かれることなのですが、保険診療と自費診療は何が違うのかをお話ししたいと思います。

 根本的には、保険診療は国(厚生省)が認可した内容の診療です。皆さんがお支払いの健康保険から、
治療費の7割から10割を国が負担して医療機関に支払います。いわゆる窓口支払い、患者さんが医療機関で支払う医療費は
実際の治療費の最大で3割ということになります。(なので保険証の無い方は10割の料金が発生します。保険証がない場合、保険証有効期限が切れている場合は国からの支払いが発生しないためです)

 そのおかげで、日本では世界でも類を見ないほどの医者にかかりやすい国になっています。実際にアメリカでは、お金がかかるから歯医者に行けない人が自分で痛くなった歯を抜いてしまう事例や、イタリアでは闇歯科医(国家資格を持っていない歯医者)による診療の事例も多いようです。たとえば、日本で定期的に行う歯のお掃除は2500~3500円程度ですが、アメリカやスウェーデンで行った場合は12000~50000円の費用が掛かります。

 このように治療を受けやすいという意味では非常にありがたい仕組みなのですが、保険制度にはデメリットも存在します。
最たるデメリットは国の認可が下りていない治療ができないということです。

 血液製剤問題やBSEのために日本の厚生省は新しい技術や薬剤の導入に非常に慎重です。そのため、開発、運用され他国で結果が出てから認可される傾向があるため、最新の治療というものが保険治療に導入されにくい状況にあります。これは、安全性の裏返しであるため、いい面ではあるのですが、反面理想的な治療が行えないというジレンマも起こっています。
 現在根管治療(神経の管の治療)の方法として、割れた歯や、病気の根を切除した場合の治療材料として主流になりつつあるMTAや歯周外科(歯周病の外科治療)でも使用頻度の高いエムドゲインなどは保険では使用できないため自費の手術を行うことになります。また、インプラントや、セラミック冠なども当然保険外の治療となります。

 保険治療は「機能の回復」を主な目的としているため、大半の矯正治療や、奥歯の白い歯、ホワイトニングなど「審美性の回復」を目的としたものは適用外になります。これは、国の定めたルールなので、白い歯で治したいという希望がある場合保険の治療では対応できない場合が出てきます。 さらに、国が、高齢化社会でかさむ医療費の削減を目標としているためインプラントや、再生療法などコストの高い治療が保険適応になる可能性は低いようです。ようやくCTやマイクロスコープ、小臼歯でのCAD/CAM冠などが保険適応されるようにはなってきていますが、ほんの一部に過ぎません。

というわけで、保険診療は決して悪いものではないながら、ベストを求めようとするとそのうちでは難しいという命題が出てきます。

かといって保険外のものがすべて素晴らしいというわけではないというのが難しい問題で、例えば、変色しないことや、汚れが付きにくいため歯茎の炎症を起こしにくいこと、金属アレルギーの可能性がない事からセラミックはいい材料ではあるのですが、形成や、型取りの材料、技工士の腕、接着剤の選択、歯の大きさなどの条件を考えないとせっかくの被せ物が長持ちしなかったり取れてしまうこともあります。よくあがるインプラントの問題も、骨の条件や、患者さんの病歴、インプラントの管理、大きさ、位置の選択、患者さん自身のインプラントに対する理解、清掃状態、メンテナンスに継続してかようモチベーション、今残っている歯の寿命と今後の治療
方針などがしっかりしていないと、ベストとは言い難い治療になってしまうことがままあります。

結局は、治療に対する希望と、それに沿うための選択肢とメリットとデメリットをよく相談して治療を行うのが
患者さんにとっても歯科医師にとっても一番いいということになるのだと思います。皆さんも気になることがあればかかりつけの先生や、担当の先生によく相談されてください。迷った時はセカンドオピニオンを仰ぐというのもいい選択だと思います。

新リーフレット設置中

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

医院のリーフレットを作成してから5年たち、内容が実情と違ってきていることと、新たに始めた診療の紹介を兼ねてリーフレットを新しく作成しました。医院の玄関に設置していますのでお気軽にお取りください。


書店問題を考える

本屋好きの僕には悲しい事ですが、全国の書店はどんどんつぶれています。そして出版社もどんどんつぶれています。リブロ池袋が閉店し、ジュンク堂新宿が閉店し、明屋書店はトーハングループに組み込まれ、ジュンク堂書店と丸善書店がCHIグループの子会社となり、と1999年から 2015年までに 8,808軒の書店が減少しています16年で40%減。歯医者より厳しいです。
 
9月23日の読売オンラインには、『書店が地域に1軒もない「本屋ゼロ」の市町村が、全国300以上に上っている』という記事が掲載されていました。
 
現在でも書店の少なさと品ぞろえが切ない状態なのに、これ以上本屋がつぶれてしまうと書店での出会い(帯買いや推薦文買い、追っていない作者の久しぶりの新刊、書店POP買い)という楽しみがなくなりそうで何とか頑張ってくれ!とエールを送らざるを得ません。
 
書店の苦境は多岐にわたります。
 
  • 大型書店の台頭による小規模店舗の閉店
これはイオンができてシャッター買いができるのと同じ仕組みですが、大きくて広い、当然棚数が多く品数が多い店舗ができると小規模店舗は学術書専門、美術系に強い、アニメイト等のジャンル特化型店舗でないと生き残るのが苦しくなります。まずはこれで家族経営の小規模店がかなり閉店していきました。

  • コンビニの増加
ソースがやや怪しいですが、利益率の高い雑誌、エロ系がコンビニに置かれ、これもかなりのダメージを受けたようです。

  • 古本問題
ブックオフなどの大手古本書店ができたことで益々書店での購入に影が差すことになりました。
この問題は、出版社、作者にもマージンが入らないという点で出版社にも大きなダメージを与えています。結構この事実を知らない(考えて無い?)方もいるようでTwitterなどで作家が「昨日古本屋で全巻購入して読みました」などとリプライをもらい困惑する場面を幾度か見たことがあります。複雑でしょうね・・・。

  • 再販制度・委託制度
返本問題とも言われていますが、文化の保護の一面から書店はどこでも一律に同じ値段で販売する縛りがあり、セールができないこと。出版社から委託されているため、返本が可能でこれがないと売れないかもしれない本を置いてくれないのでなければないで困る制度なのですが、出版社から書店に委託を行う間に取次が入るため、取次の意向に左右される(人気作家の本が制限される、セット売りされる)事で書店の自由度が下がる事、小規模店舗がますます苦しくなること等の問題があります。また、返本にかかる印刷、梱包、移送、保管コストもばかにならないうえに現在の返本率は40%と上がっており、このコストが本の価格を上げています。単純に1000円で売る本が、40%返本がおこる場合1680円で売らなくてはならないことになります。

  • 税金問題
前述の読売オンラインでも触れられていましたが、消費税にあたる税の標準税率20%の英国は、出版物の税率0%。19%のドイツも7%、しかし日本にはこの税制がなく本の価格が上がっています。 ジャンプは昔160円 コミックスは昔320円、文庫本は400円、ノベルズは700円で買えましたね・・・。 

  • アマゾン・楽天などオンラインショップの台頭
僕も利用していますし、便利なのですが、後述の万引き被害がなく人件費と家賃が節約できることで強力なオンラインショップ、家からポチれば終了のネット購入はますます書店から足を遠のけています。まあ、本の雑誌やこのミスのランキング後半とかでも新人作家だと7店舗回っても置いてなかったりしますから仕方ない面はありますが。昨年なんか4位以下は一桁ランキングでも大御所の本しか置いてなかったり。

  • 電子書籍問題
青空文庫などで版権切れ小説がよめるので、菊池寛や国木田独歩を読み返そうといった場合にそもそも購入する必要がなくなってしまいました。コミックもこちらに移行中。ただし、海外に比べ価格が高い、データロストの可能性があるなどでまだまだ安定はしていない印象です。実際KDDIは来年4月で電子書籍「LISMO BOOK STORE」サービス終了。「PDABOOK」って老舗の電子書籍ストアも今月で終了とのことです。

  • スマホ、タブレットで移動中、空き時間の時間つぶしが可能
じつは一番問題かもしれないですが、人を待つ間、出張の新幹線、飛行機、ホテルの時間つぶしに小説をという方は多かったはずですが、キオスクの本は今どれだけ売れているのでしょう?
電車で書籍を読んでいる方を見る機会がぐっと少なくなった気がします。

  • 万引き問題 
もともと利益率が極端に低い書店(約22%)そこから家賃、人件費をねん出して、さらに万引きによるロスと、これに対する対策を割かないといけない。実際問題閉店の原因はこれがかなりの上位に来るのではと思います。
2012年日経MJ第40回日本の専門店ランキングで紀伊國屋書店の経常利益率は0.4%、 書店の全国平均経常利益が0.6%に対して万引きでの損失は1.41%です。これはやや極端な例になりますが、経常利益率は0.4%の場合1000円の本が万引きされれば25万円売上なくてはならないことになります。
もちろん書店だけの問題ではないのですが、万引きの被害総額は書店以外も含めると年間4615億円。書店一店舗当たりの年間平均被害額は211万円です。
  月商1200万の地方郊外店を例にとると、300万が年間被害額、利益率が22%として1か月半は万引きのためにただ働きをしていることになります。さらに実際には、監視カメラ・ミラー・モニター・電子タグの導入、警備員等の費用が発生します。そのうえ、10%ほどの確率で万引きを捕まえた場合、警察の調書で3~4時間、未成年の場合は親御さんの到着待ちやさらにそこからのクレームの対処が必要な場合があります。逸失利益は計り知れません。ジュンク堂の場合警備員の費用だけで1か月75万円の経費が掛かっています。 小規模店ではまずこの対策を取ることができないまま、万引き被害が積み重なって閉店というケースも多いようです。有名な事件ですが、万引きした中学生がにげた結果電車にはねられ死亡し、店主が「人殺し」など非難の電話や嫌がらせをうけ閉店したケースもあります。
 最近では万引きに対して該当品だけでなく、対策にかかった費用も請求するケースもあるようですが、「万引きぐらいで」とか「金を払えばいいんだろ」という人はまず、額面年収の2か月分を取っていく泥棒を許せるのかと考えてほしいです。そして非難した書店に年収2か月分払ってほしい。
 
以上思いつく限りでこれだけの問題が降りかかってきています。そりゃつぶれるよな・・・。
中にはそんなの書店だけの問題じゃないってこともありますし、仕方ないだろって面もあります。
書店関係の人間というわけではないのでざらっと調べて間違いを書いている可能性もありますが、まあ、書店が大変なんだって雰囲気だけでも伝われば。
 
僕自身は、書店で目当ての本を見つけたり、好きな作家の新刊を買いに行って帯や表紙やあおりを眺めてわくわくしたり、うちに帰るのも待ちきれずに書店を出て本の読めるところを探して読み始めたり、「あ、この先生新刊出してたんだ!」って書店で気が付いて思わぬ出会いにほくそえんだりと、小学校の遠足の前日とか、サンタさんがいると信じてた頃のクリスマスの日とか、買ったばかりの時計とか靴とかをはじめて身につけて出かけるときのわくわくにやにやするような喜びを沢山もらったので、こういう楽しみがなくなるのはさびしいです。子供たちにもできれば、書店での出会いをあじわってほしいなと思います。
 

キシリトールの予防効果についてのお話

こんにちは、あきる歯科院長の濱窪です。

歯科ではよく予防として使われているキシリトール、予防先進国の北欧諸国で使われていたこともあ り、あっという間に歯科のみならずコンビニのガムコーナーまでを占拠するに至りました。人によってはキシリトールを食べてるから歯磨きしなくても大丈夫な んて方までいらっしゃいます。

しかし、先日このようなニュースが発信されました。

『国際NPO「コクラン共同計画」の研究グループは、これまでに発表された研究結果をまとめて評価したところ、「キシリトールの虫歯予防効果を示す明らかなエビデンス(根拠となる研究結果)はなかった」と、3月26日発行の同団体機関誌「コクラン・ライブラリー」(2015; 3: CD010743)に発表した。(中略)評価の結果、キシリトールを含む製品(歯磨粉、ガム、シロップ、菓子、歯磨きシートなど)の虫歯予防効果は、乳児と大人に対してはエビデンスが示されなかった

キシリトールには予防作用はないのでしょうか?
歯科界でも諸説出ていますし、エビデンスに乏しいとされている部分もあります。

ここで基本的な虫歯とキシリトールについてのおさらいをしておきます。
よくうたわれているキシリトールと虫歯に関する内容ですが、
①虫歯菌はスクロース(砂糖)を利用して虫歯を発生させます。
②キシリトール、ソルビトール、マルチトール等の糖アルコールは代用甘味料とも呼ばれ、虫歯菌の餌にならないため、
 甘い味はするが虫歯にはならない
③キシリトールの甘味による唾液の分泌、特にガムの場合は咀嚼による唾液の分泌があるため唾液により酸の中和と再石灰化の促進が促される
④キシリトールの非感受性の菌は不溶性グルカンの合成、酸産性能が低い(虫歯菌が歯にくっつきにくく、歯を溶かす能力が下がる)

虫歯菌はキシリトールを代謝しにくく、キシリトールを取り込んだ虫歯菌は他の糖も代謝を阻害されるため次第に減少していく
⑥キシリトールの摂取は一日3回から5回、含有量は50%以上が推奨

①②③ については問題ありません。代用甘味料を使えば虫歯になりにくいですし、唾液の分泌が促進されれば虫歯になりにくく、再石灰化の促進も見込めます。唾液に よる再石灰化は日常頻繁に起こっておりますし、シェーグレン症候群などで唾液が減少した方は虫歯のリスクが上がります。しかし、ここまでの部分では、キシ リトールでなくても代用甘味料の使用で虫歯の予防効果が見込めるということでしかありません。実際、キシリトール、ソルビトール、マルチトールの酸産性能は変わらないとする報告があります。また、実質的にすべてを代用甘味料で賄うというのは不可能に近い話ですので、代用甘味料をおやつなどに使えば虫歯のリスクが減るという程度の内容になります。

問題は④⑤についてです、④についてはキシリトールが影響を及ぼさない菌は毒性が低いといった内容になりますので⑤の内容が担保されなくては意味がありません。肝心の⑤ですが、
キ シリトールにより阻害される虫が菌がいるのは事実ですが、阻害されない虫歯菌もいること、キシリトールを食べ続けることで阻害されない虫歯菌が増えていく ことも報告されています。ただし、砂糖の摂取により口腔内が頻繁に酸性に傾くことがないよう環境であれば、酸性環境下に強い虫歯菌よりもほかの菌が優勢に なりますので結果的に虫歯菌の減少は起こるようです。また、キシリトールは他の代用甘味料と比べて制菌作用があるという報告もあり、良好な結果が出ているケースもありますがこの部分に関しては確実とは言えないようです。

⑥については上記の内容とはやや別枠になりますが、100%キシリトールの製品でな い場合、商業的にキシリトールと銘打ちたいために砂糖とキシリトールが両方含まれている製品があります。キシリトールが虫歯をつくらなくても、砂糖の方が 虫歯を作ってしまいますので虫歯の予防の観点からは全く意味がないのですが、商品としては販売されています。また、予防効果がうたわれているため、10% 程度のキシリトール含有食品もありますので、残りの成分が何であるかに注目する必要があります。

ここまでをまとめると、
〇キシリトールの使用により砂糖の摂取頻度を減らすことが可能であり、口腔内が酸性になりにくい環境をつくれば虫歯の予防自体は見込める。その製品が唾液の分泌を促すものであればさらにいい。
〇他の代用甘味料と比較して、同量で砂糖と同程度の甘味を感じるキシリトールは間食としての汎用性が高い。
〇「虫歯予防のキシリトール」の商業的成功により、キャンディー、チョコ、ガムなど様々な形態のキシリトール100%製品が生産されているため他の代用甘味料使用のものよりバリエーションがあり、手に入りやすい。
〇上記のキシリトールの効果を考えた場合、砂糖入りのキシリトール食品や、歯磨きの代わりにキシリトールガム、ケーキを食べた後にキシリトールで予防などは効果がない。(唾液分泌による中和という効果はあるかもしれないが予防は難しい)
〇キシリトール自体が他の代用甘味料と比較して効果があるとする報告もあるが、それ自体で予防ができるほど劇的な効果はない。
ということになりそうです。

備考として、糖 アルコール以外の単糖類(グルコ-ス、フルクト-スなど)、二糖類(スクロ-ス、麦芽糖、乳糖など)の含有量が0.5%以下のものに、シュガーレス、ノン シュガー、シュガーフリーと表示されていますが、これらはカロリーが低いわけでも、酸を産生しないわけでもありません。あくまで砂糖よりはましといった程 度で、虫歯になる可能性はあります。

一 応一言触れておきたいのは、このコクラン共同計画の評価は、1991~2014の間に発表された人を対象としたキシリトールの虫歯予防効果に関する論文対 して、「エビデンスの質が低い」という判断を下しているということで、キシリトールに効果がない事が証明されたわけではありません。WHOのスタンスでも キシリトールについては虫歯予防効果はpossibleであり、確実ではないがおそらく予防効果があるというスタンスです。これは、人を対象とした場合、 特に対象人数が少ない場合、キシリトールのために予防ができたのか、歯磨きのために予防ができたのか、もともと菌が少ない方だったのか、逆に虫歯になった 場合に、キシリトールに効果がなかったのか、食生活に問題があったのか、歯磨きが不十分だったのかが判断しにくいという理由から、対人研究の精度が下がる ためです。研究の基本は同一素材の対象に違う条件で比較することですが、対人試験の場合まずこの同一条件を満たすことが難しいからです。

というわけで、キシリトールを使用する場合は、
三食以外で間食をする場合に甘 いものがほしい場合、眠気覚ましや口さびしい方等ガムをかむ頻度が高い場合などにキシリトール100%か、キシリトールと他の代用甘味料のみで甘味を構成 している製品を使うことをおすすめします。こういった場合にはキシリトールを使用する意味(虫歯の予防効果)がありますし、虫歯の繁殖期の入り口となる4~7歳くらいのお子さんが甘いものが好きで頻 繁に食べたがる場合などはお勧めできます。ただしキシリトールの大量摂取はおなかが緩くなりますのでその点は注意が必要です。
 キシリトールは別に悪いものではありませんので、いい付き合い方を考えてみてください。

長くなりましたが、調べてみてキシリトール100%製品の現在のバリエーションの豊富さには驚くばかりでした。




思わず取り寄せてしまった、キシリトール100%グミ、サイダー、スルメ!
スルメまであるとは・・・。



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